すべての建築確認申請において全く同じ図書を添付する必要があるのか?
結論:4号建築物の特例により建築確認申請に添付する資料が省略されます。
この結論について法的根拠を交えて解説します。
4号特例とは
まず、4号建築物の特例について解説します。
本来すべての建築物の建築確認申請ですべての図書を確認することが望ましいですが、現実的ではないため、建築確認申請の審査の簡素化及び合理化を図るため、4号建築物の特例というものが存在します。
4号建築物とは 建築基準法第6条第1項第4号 に該当する建築物のことを指し、比較的小規模な建築物です。
4号建築物を建築する場合、建築確認申請の審査において添付図書を一部省略することができます。
注意:建築確認申請の審査は緩和されますが、図面を作成しなくて良いという解釈ではありません。
根拠としては建築基準法第6条の4並びに建築基準法施工令第10条に記述されている内容になります。
4号特例で審査対象外となる項目については下記記事をご確認ください。
建築基準法施行令第10条各号に掲げる建築物の区分
4号建築物の特例(建築基準法施工令10条)は第1号~第4号に分けられており、各号それぞれ建築確認申請の審査項目が異なります。
それぞれの項目について解説していきます。
ちなみに4号建築物はすべて構造規定の審査は対象外となっているため、構造図書の添付は添付は不要になります。
建築基準法施行令第10条第1号・第2号
いわゆる「型式認定」を所得している建築物が該当します。
・型式認定とは「同一の部材・同一の製造」をすることで型式認定(工法)として受理されることで設計段階から型式認定(工法)の実験データを用いて安全性を証明することです。
この型式認定を許可された箇所において審査及び検査を省略できる仕組みとなっています。
型式認定での違いは建築基準法施行令第136条の2の11第1号もしくは第2号のどちらの型式認定を所得しているかが違いとなり、具体的な違いはその建築物の設備まで型式認定を所得しているかの違いとなります。
この型式認定を所得している建築物は必ず型式認定書が添付されているため、その型式認定書を確認すれば違いは簡単にわかります。
建築基準法施行令第10条第3号
防火地域及び準防火地域以外の区域内における一戸建て住宅が該当します。
(住宅兼用の建築物の場合は 「住宅以外の比率が50%以上」 かつ 「住宅以外の用途が50㎡以上」の場合は該当しません。)
例えば:法22条区域内における床面積150㎡の事務所兼用住宅(事務所面積30㎡・住宅面積120㎡)の建築物は建築基準法施行令第10条第3号に該当します。
集団規定が主な審査項目となり、採光(法建築基準法第28条)や内装制限(建築基準法施工令第128条の5)などの単体規定や避難規定などの一部も審査対象外となります。
建築基準法施行令第10条第4号
4号建築物であり、上記の1号~3号以外の建築物が該当します。
建築物の用途によっては 建築基準法施行令第10条第3号 で審査省略であった集団規定や避難規定も審査項目の対象となります。
第4号に該当すると審査は設備規定・構造規定以外はほとんど審査対象になります。
まとめ
建築基準法施行令第10条の各号の区分について再度紹介します。
・第1号・第2号:型式認定を受けている建築物
・第3号:防火地域及び準防火地域以外の区域内における一戸建て住宅
・第4号:第1号~第3号以外の4号建築物
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