建築確認申請はすべての建築物に対して必要なのか?
結論:建築確認申請が不要な条件は7種類存在します。
この結論について法的根拠を交えて解説します。
建築物に該当しないもの
建築物の定義として建築基準法第2条より 「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」 と定められています。
したがって 「土地に定着していないもの」 と判断されれば小規模な倉庫や小屋などは建築物に該当しない場合があります。
そのほか小規模な倉庫については人が内部に出入りすることができず、外部からのみ利用ができるものは建築物としては取り扱いません。
一般的には奥行き1.0m以下 かつ 高さ1.4m以下 のものが小規模な倉庫として取り扱われています。
各都道府県ごとに建築物の取り扱い例規集があり、この条件より厳しい都道府県もあるため注意が必要です。
都市計画区域外の4号建築物
4号建築物とは 建築基準法第6条第1項第4号 に定められている建築物のことを指します。
詳しくは 以下の記事をご確認ください。
ただし、都市計画区域外であっても 都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域 が定められている場合があり、この地域に該当する場合は建築確認申請が必要になります。
この区域が定められているかは所管行政庁に確認することをおすすめします。
4号建築物の大規模の修繕及び大規模の模様替え
上記の記述と同じ4号建築物の 大規模の修繕 もしくは 大規模の模様替え は建築確認申請の提出は不要になります。
根拠としては建築基準法第6条より この条項に記述されている1号・2号・3号(4号建築物以外)の建築物の大規模の修繕及び大規模の模様替えのみ建築確認申請の提出が必要になります。
したがって、4号建築物の場合は建築確認申請の提出が不要になります。
・大規模の修繕:建築物の主要構造部の一種以上について行う河畔の修繕
・大規模の模様替え:建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替え
※建築基準法第2条に記述されている内容になります。
防火地域・準防火地域以外の床面積10㎡以下の増築・改築・移転
防火地域・準防火地域以外の敷地で床面積10㎡以下の建築物の増築・改築・移転は建築確認申請の提出は不要になります。
根拠としては建築基準法第6条第2項に記述されている内容になります。
・例えば法22条区域内における住宅の敷地内に床面積10㎡以下の倉庫を別棟増築する場合の建築確認申請は不要となります。
逆に考えると防火地域・準防火地域内での増築は床面積0㎡の建築物であっても建築確認申請が必要になります。
ちなみに建築物を減築する場合は防火地域等は関係なく建築確認申請は不要になります。
床面積200㎡以下もしくは非特殊建築物の用途変更
床面積200㎡の建築物の用途変更 もしくは 非特殊建築物(建築基準法第6条第1項第1号に該当しない建築物)の用途変更は建築確認申請は不要になります。
根拠としては建築基準法第87条に記述されている内容になります。
・例えば床面積150㎡の住宅を共同住宅に用途変更する場合は床面積が200㎡以下の特殊建築物は建築確認申請の提出は不要になります。
仮設建築物
以下に該当する仮設建築物は建築確認申請の提出は不要になります。
・非常災害が発生した場合に、非常災害区域等内においては災害により破損した建築物の応急の修繕(防火地域を除く)
・非常災害が発生した場合に、国や地方公共団体または日本赤十字社が災害救助のために建築する応急仮設建築物 または 被災者が自ら使用するために建築する床面積が30㎡以内の応急仮設建築物(防火地域を除く)
・災害が発生した場合に建築する停車場や、官公署その他これらに類する公益上必要な用途に供する応急仮設建築物
・工事を施工するために現場に設ける事務所や小屋、または資材置き場その他これらに類する仮設建築物
根拠としては建築基準法第85条に記述されている内容になります。
上記以外の仮設建築物は建築確認申請の提出が必要になるため注意が必要になります。
建築基準法の適用を受けない建築物
以下に該当する建築物は建築基準法の適用を受けない建築物となります。
・国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物、史跡名勝天然記念物として指定、または仮指定された建築物
・重要美術品等として認定された建築物
・文化財保護法による保存建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したもの
・上記①または②の原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得て認めたもの
まとめ
最後に建築確認申請の提出が不要な建築物を再度紹介します。
・建築物に該当しないもの
・都市計画区域外の4号建築物
・4号建築物の大規模の修繕及び大規模の模様替え
・防火地域・準防火地域以外の床面積10㎡以下の増築・改築・移転
・床面積200㎡以下もしくは非特殊建築物の用途変更
・仮設建築物
・建築基準法の適用を受けない建築物
建築物の概要によっては行政庁もしくは指定確認検査機関に建築確認申請が不要でよいか確認が必要な建築物もあるため、ご注意ください。
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